第3回スペイン日本語教師会シンポジウム【サンティアゴ・デ・コンポステーラ】

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「つなげよう、学習者の自律性と日本語教師の役割」
会期:2015年6月26日(金)、27日(土)
会場:サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学 言語学部

* サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学には、南キャンパスと北キャンパスがあります。
言語学部は、北キャンパスにあります。カテドラルから北に向い、ガリシア音楽堂(Audiotorio de Galicia)から2分のところにあります。

テーマ:「つなげよう、学習者の自律性と日本語教師の役割」

昨今、インターネット上に日本語学習を支援するリソースが増え、学習者自身がこれらにアクセスし、一人で日本語を学習している人が増加してきています。またソーシャルネットワークが日本語学習のためのツールとしても活用し始められ、学習者が日常生活の中で日本語を使える機会も増えてきています。つまり授業に行かなくても日本語学習が可能になってきていると言えます。
このような状況の中で、「教師が教え、学習者が学ぶ」という教師主体の授業だけを続けていていいのでしょうか。今、求められている教室活動とはどのようなものでしょうか。
その答えを見出すためには、「教室外にはどのような日本語学習環境があるのか」、「学習者が自分でできることは何なのか」などを理解しなければなりません。その上で「教室でなければできないこと」、「教師とだからできること」を考えていく必要があります。
今回のシンポジウムでは、「学習者の自律性を教師はどのように促し、その自律性をいかに教室活動につなげていけるのか」について共に考える機会にしましょう。

参加費:

会員20ユーロ 非会員30ユーロ ※参加費は当日、受付にて現金でお支払いください。

参加申し込み締め切り:2015年6月12日(金)
交通費補助支給申請の締め切り:2015年6月12日(金)
会場付近の宿泊先:

サンティアゴ・デ・コンポステーラ市観光協会のウェブサイトにホテル情報がアップされています。http://www.santiagoturismo.com/central-reservas
よろしければこちらを参照ください。

プログラム:

第一日(6月26日金曜日)

15:00-15:30 受付け開始
15:30- 16:00 開会式
16:00 -17:30 基調講演 国際交流基金ブタペスト日本文化センター村上吉文氏
17:30‐18:00 コーヒーブレーク ※交通費補助精算
18:00 – 19:00 ポスター発表×4本
19:15 – 20:15 口頭発表×2本 一本あたり持ち時間30分。
21:00 懇親会 (参加無料)

第二日(6月27日土曜日)

9:30-11:00 口頭発表×3本 一本あたり持ち時間30分。
11:00-11:30 コーヒーブレイク
11:30-13:00 フォーラム 所属機関種別のグループに分かれて、テーマを掘り下げる議論
13:00-14:30 昼食 (お弁当)
14:30-16:30 フォーラム還元パネルセッション
<パネリスト>
フォーラムの各グループ代表
国際交流基金ブタペスト日本文化センター村上吉文氏
<司会>
国際交流基金マドリード日本文化センター隈井正三氏
16:30-17:00 閉会式
オプションツアー:

「小さな漁村で本場ガリシアのシーフード&ワインを愉しむ」
※シンポジウム閉会後、シンポジウム参加者の方のためのオプションツアーを企画いたしました。ツアー内容は下記のとおりです。こちらの申込みは、メールになります。こちらのツアーに参加されたい方は、メールに氏名、オプションツアー参加希望の旨を書いて、apje.info@gmail.comまでお知らせください。申込み締め切りは6月19日(金)です。
※サンティアゴデコンポステーラからバスで約45分のところに昔ながらの面影が残る小さな漁村、Combarroがあります。今回は、この村を訪れ、ガリシアの伝統的な漁村を散策、そしてガリシアならではの魚介を愉しみませんか。もちろん「スペインの白ワイン」を代表するアルバリーニョも満喫しましょう。
日程: 6月27日(土) 参加費 35€(バス往復、夕食代込み)

18:00 サンティアゴデコンポステーラ出発 (バスにて移動)
19:00 コンバロ着、町を散策
20:00 夕食
22:30 コンバロ発
23:30 サンティアゴデコンポステーラ着

各セッションの概要:

基調講演 国際交流基金ブタペスト日本文化センター村上吉文氏
近年のICT(情報通信技術)の発展により、教育機関に属さない学習希望者にも自律的に外国語を学ぶ環境が整ってきました。そして実際に、学校で日本語を学んだことも、日本へ行ったこともないのにJLPTのN1に合格してしまうような例も多く聞かれるようになってきています。今回の基調講演では、こうした事例を紹介しつつ、語学教師はもはや必要ではないのか、必要だとしたら期待される役割は何か、その役割を果たすために何をしなければならないのかを考えていきたいと思います。
なお、プログラミングなどの技術的な議論には立ち入りません。パソコンかスマートフォンでインターネットにアクセスできるぐらいの人を念頭に、最近のICT化の波に飲み込まれそうになっていることに不安を感じている時に、自分が少しずつ変わっていくための第一歩を踏み出してもらえるためのお手伝いができればと思っております。

ポスター発表

題目 発表者 所属
自律性を念頭に置いた授業・教材改善を試みる~実践報告~ 杉山 千尋 スペイン放送大学(UNED)
Twitterで日本語を使用し続けた学習者の人間関係 平山 花菜絵 北海道大学大学院生
ピア・ラーニングにおける自主的な学習促進の要因 中尾 桂子 大妻女子大学短期大学部国文科
漢字の自学促進のための教材開発の試み
―『まるごと』で学ぶ人のために―
隈井 正三
高橋 水無子
国際交流基金マドリード日本文化センター
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学

口頭発表

題目 発表者 所属
ライトノベルを読む
―学習者が期待すること―
朽方 修一 エルジェス大学【トルコ】
教師は教室外自律学習をサポートできるのか?:
日本語学習者の教室外学習活動の変化とその要因から見える可能性
稲葉 美穂 Cardiff University【英国】
ハンガリーの高校における反転授業の試み
-生徒のモチベーションを高める動画と授業のデザインとは-
大森 麻紀 国際交流基金ブダペスト日本文化センター【ハンガリー】
Facebookを活用した自律学習促進の試み 高橋 水無子
大石 恵
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学
個人教授
学習者との共同プロジェクト
-自律学習支援サイト-『日本語せんせい』
鈴木 裕子
Adrián Riesco
マドリッド・コンプルテンセ大学現代言語センター(CSIM)
マドリッド・コンプルテンセ大学情報学部

フォーラム
初日の基調講演から各発表までの内容を自らの現場にひきつけて考え、話し合う時間です。現場の教室環境や時間的制限などの中で、学習者の自律性をどのように認識しているか、よりよい学びにつながる授業をするために教師として自分はどのような仕事ができるか等、シンポジウムのテーマを掘り下げて言語化します。
所属機関の別にグループになって話します。現場の制約が似ている者同士で話し合うことで、参加者同士が積極的に意見交換し、より多くの有益な気づきを得ることが期待されます。

フォーラム還元パネル・セッション
フォーラムでの話し合いを共有する場です。各グループの代表がパネリストとして登壇し、自分たちの話し合いの要点を報告するとともにコメントをします。その報告・コメントについて他のパネリストとフロアを交え、質疑と意見交換を行い、シンポジウムのテーマについてさらに認識を広げ、また深めていきます。全員で一つの共通認識を作り上げることを目指すのではなく、参加者一人一人が自分のために意味のある知見を得ることが目標ですが、議論を通して協働作業の提案なども歓迎します。